カレッティエーラは
にんにくの風味、唐辛子のスパイス、トマトソースの酸味、それに加えてなんらかの甘味、この4つがほどよく際立つことで驚きの美味しさになります。
この記事のベースはYoutubeチャンネル「ファビオ飯」のカレッティエーラですが、そこに、みじん切りのにんにくを加えてパンチを強化、より一層キレのあるカレッティエーラに改造しました。これには作り手の調理技術のブレを少なくし、ぼんやりしたトマト味になってしまうのを防ぐねらいもあります。
また、ファビオ飯ではイタリアンパセリを使っていますが、庭のイタパセを使い尽くしたので代わりに自家製の粉末バジルを使いましたが、これがよい感じに働いてくれました。
信じられないくらい上質感のあるカレッティエーラになったので、ぜひ作ってみてください。
初めてのカレッティエーラ・失敗からの学び
カレッティエーラとの出会いはファビオ飯でした。
この動画を見て作った初めてのカレッティエーラは、ぼんやりしたトマト味のパスタになってしまいました。そして「カレッティエーラってこんなものなのかな?」と思ってしまったのです。
ところが先日、たまたま見た動画で「みじん切りのにんにくで作るカレッティエーラもあるんだ」と知ったんです。(むしろ、みじん切りが一般的なようです)
HEICHANことピアットスズキの鈴木弥平シェフ
みじん切りで作ってみると、とても美味しかった!
この時、もっと、にんにくを効かせるべきなんだと気づいたのです。
ちょっと待てよ、、、だったら
ゴロゴロ と みじん切り の2種類を使えば、もっと美味しくなるんじゃないの?
と思ったのがこの作り方です。
超絶に美味いカレッティエーラを作る4つのポイント
ここでは冒頭に書いた美味しいカレッティエーラを作るための4つの要素(にんにくの風味、唐辛子のスパイス、トマトソースの酸味、なんらかの甘味)を満たすためのポイントを書きます。
(詳しい作り方についてはファビオシェフの動画をご覧ください)
ポイント1:にんにくの風味とパンチを効かせる
にんにくの風味とパンチを強化するため2種類の異なる切り方のにんにくを使います。一方はみじん切り、もう一方は、つぶしたものを大きめにカットしたもの(以下、ゴロゴロにんにく)です。
にんにくが弱いと、ぼんやりした味になってしまうので多めに使います。それぞれ2~3片で計5~6片くらいが目安です。
ゴロゴロにんにくの調理
最初にゴロゴロにんにくを炒めます。
理由はゴロゴロにんにくの調理が終わったら一旦バットに上げてトマトソースを作り、最後にゴロゴロにんにくをトマトソースに入れる手順で作るためです。(コンロが3口以上あればパスタ茹で、トマトソース作りとの同時並行も可能)
火入れの方法はファビオシェフの動画をご覧ください。
にんにくが色付いてきたら火を止め余熱で調理し、オイルが少し冷めたらバットに上げます。
これでゴロゴロにんにくの調理は完成。
(トマトソースを作ります)
トマトソースが完成したらバットのゴロゴロにんにくを入れます。
みじん切りのにんにくの調理
火入れの方法はHEICHANの動画をご覧ください。
常温のフライパンに、オリーブオイル、みじん切りのにんにく、唐辛子を入れ弱火で炒めます。にんにくが香り立ち柴犬色になったら調理は完了です。
上記の2つの方法で調理したにんにくを使うことで風味とパンチが際立ちます。
ポイント2:唐辛子のスパイスを効かせる
唐辛子は、にんにくとトマトの存在感に負けない辛さのしっかりしたものを使い、風味をオリーブオイルとにんにくに移すため、常温からにんにくと一緒に弱火でゆっくり火を入れます。
ポイント3:キレのあるトマトソースを作る
このカレッティエーラはパッサータディポモドーロ(裏ごしトマト)を使いますので、ホールトマトのように強火で余分な水分を飛ばす工程は不要です。
トマトの酸味を活かすことがカレッティエーラの美味しさの1つの要素なので、火を入れ過ぎて酸味がなくならないように注意しましょう。
ポイント4:甘味を加える
少量のきび砂糖とミニトマトを入れ甘味を加えます。
少量のきび砂糖
ちなみに、少量のきび砂糖を入れる手はファビオシェフの得意技です。
少量のきび砂糖を入れることで、ほのかな甘味を醸しだします。
熟したミニトマト
酸味があるトマトソースの中で熟したミニトマトは甘味のアクセントとなりトマトソースに深みを与えます。
完成、盛りつけ
麺をあえる前に唐辛子を取り除きます。(入ったままでもいいですが食べてしまうと激辛)
麺を和え、お皿に盛って粉末バジルをふりかけ完成。
材料(2人分)
()内はおすすめのもの
- パスタ(テフロンダイス) 180g
- にんにく 大きめ5~6片
- 唐辛子(カラブリア産) 2個
- 裏ごしトマト(モンテベッロ) 200g
- ミニトマト(熟したもの) 6個
- 粉末バジルまたはイタパセ 適量
- EXV オリーブオイル 適量
おわりに
カレッティエーラとは車夫風という意味で、カレッティエール(馬車の車夫)が寒い冬の仕事の合間に食べた「身体を暖めるパスタ」だったようです。イタリア料理は意外にも、みじん切りのにんにくを使う料理は少ないらしく、カレッティエーラはパンチを効かせた珍しいパスタのようです。
ファビオ飯で「まかないパスタ」として紹介されているように、材料が安上がりで短時間で作れるパスタながら、おもてなしパスタとしての上質感もあります。美しく盛り付けるのが難しいですが間違いなく一級品のパスタです。