パスタ好きの小麦考 ~ 小麦は本当に「悪」なのか? ~

Youtubeで料理動画を見ていると、パスタ料理は小麦の風味を楽しむものと語るシェフが少なくありません。

ところが昨今はグルテンフリーなるものが注目され

小麦 = 悪

という図式が出来つつあるように感じます。

しかし、本当にそうなのか?

この記事ではパスタ好きの僕が少し贔屓目の視点から小麦について考察してみました。

「小麦=悪」説がぬれ衣である決定的な理由

もし「小麦=悪」だとするならばシンプルな疑問が生まれる。

人類って昔から小麦を食べてたよね?なのに、なんで今になって身体に悪いと言われているの?

という疑問である。

人類と小麦の歴史は1万年も前にさかのぼる

人類と小麦の歴史を調べると、人類は1万年以上も前から食べるための小麦の栽培を行っていたことがわかります。

小麦や大麦は人類最古の作物のひとつとされ、今から約1万年前には、すでにその栽培が始められていたと言われています。このことは、これまでに発掘された多くの遺跡から小麦の穂などが発見されていることからも分かります。当初は麦や雑穀類の混ざったものを、石と石の間にはさんで砕いてから焼いて食べていました。その後、土器が生まれると粗挽きにした麦をお粥のようにして食べたと言われています。

出展:日清製粉「小麦粉百貨」https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_03.html

また、日本人に限っても弥生時代の中期から食事として小麦を食べていたことがわかります。

日本でも弥生時代の中期頃には、水田耕作とともに麦類が畑作生産されていました。私たちの祖先は、小麦を重湯(おもゆ)のようにして食べていたそうです。その後お粥や、粉にして平焼きにして食べるようになり、紀元前2,000年頃には今のパンに似た食べ物を作るようになりました。

出展:日清製粉「小麦粉百貨」https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_03.html

もし、小麦が身体に悪いものだとしたら、現代人よりも身体感覚が敏感だったであろう彼らが、わざわざ栽培までして小麦を食べていたという現実はあまりにも不自然である。

このことから、小麦そのものが人体に悪影響があるという説は信じがたい。

しかしながら、その一方で「グルテンフリー生活で体調が良くなった」という人も確かに存在しており「小麦は清廉潔白である」とも言えない。

以上のことから考察すると

小麦の摂取が身体に悪い影響を及ぼしていることは事実である。
しかしながら小麦そのものが身体に悪いわけではなさそうだ。

という仮説が成り立つ。

この視点で、小麦の現状を分析してみると、かなり信ぴょう性の高い犯人像が浮かび上がった。

真犯人はポストハーベスト農薬か⁈

結論から言うと小麦が身体に悪いといわれる本当の原因は下記の図になると考えます。

つまり、本当の原因はポストハーベスト農薬であって小麦そのものではないということです。

この図だけでは仮説に過ぎないので根拠を示します。

日本の小麦消費量の7割以上が米国とカナダからの輸入

日本の小麦消費量のうち、国内生産は約14%のみで、約86%が輸入でまかなわれています。輸入国の内訳はアメリカが約49%、カナダが約34%、オーストラリアが約17%となっています。

つまり、小麦消費量の7割以上が米国とカナダからの輸入です。

農林水産省「令和3年度 麦の需給に関する見通し」 (平成27年~令和元年の平均)

出展:https://www.nittofuji.co.jp/tips/tips04.htm

米国とカナダの輸入小麦からは高い確率でグリホサートが検出される

下記のように、米国とカナダの輸入小麦からはグリホサートが極めて高い確率で検出されています。その原因はポストハーベスト農薬としてグリホサートが使用されているためです。

農林水産省による輸入小麦のグリホサート残留分析結果(2017前期・後期)

出展:https://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/glyphosate/wheat_flour_1st/index.html

ポストハーベスト農薬とは?

ポストハーベスト農薬とは倉庫保管や長時間の輸送中にカビや腐敗を防止する目的で収穫後の農作物に使用する防カビ剤や防腐剤のことです。

ポストハーベスト農薬の問題点

日本国内でも農薬は使われていますが、農作物の生育中に行う通常の農薬散布とは異なり、収穫後に行うポストハーベスト農薬は以下のような問題点が指摘されています。

  • 生育中に使われる農薬の百〜数百倍の濃い濃度で使われる
  • 収穫後に使用するので風雨などによる希釈化がない
  • 消費者の口に入るまでの期間が短い

つまり、ポストハーベスト農薬の問題は通常の残留農薬よりも濃い状態で農薬を摂取してしまうことにあります。

明らかになるグリホサートの危険性、進む規制強化に逆行する日本

グリホサートは世界中で最も使われている除草剤の主成分ですが、WHO(世界保健機関)が「発がんのおそれあり」と評価したことから世界ではグリホサートに対する規制強化が進んでいます。また、健康被害を訴えた裁判でメーカー側のバイエル社が敗訴しており人体への危険性が次第に明らかになってきています。

ところが、日本は逆に規制を緩和しているため、ラウンドアップなどグリホサートを主成分とする除草剤がところ狭しと店頭に並んでいるのが現状です。

グリホサートの使用量がグルテンアレルギーと比例

海外では多くのメディアが、グリホサートの使用量と比例してグルテンアレルギーのセリアック病が増えていると指摘しています。

グリホサートは植物がアミノ酸を作り出すシキミ酸経路をブロックすることで除草効果を発揮するため、シキミ酸経路をもたない動物や人間に影響ないとメーカーは主張してきましたが、人間の腸内にはシキミ酸経路をもつ腸内細菌が棲んでいるため、グリホサートの影響で腸内環境が悪化し、それによって様々なアレルギーや自己免疫疾患などを誘発する可能性が指摘されています。

結論

以上の考察により、小麦による体調不良の原因は小麦そのものではなく、ポストハーベスト農薬として使われるグリホサートによって腸内環境が悪化し、それによるアレルギーや自己免疫疾患によって、グルテンアレルギーが誘発されている可能性が高いと言えそうです。

おうちで出来る簡単な対策

「じゃあどうすればいいの?」というところですが

ポストハーベスト農薬は国内では規制されているので、米国とカナダからの輸入小麦、および、その加工製品を避ければいいのです。

うちでやっているのは

  1. 小麦粉は国産小麦100%のもの使う
  2. パンは国産小麦で自家製、または、国産小麦のパンを買う
  3. パスタはイタリア生産され、かつ、確実にイタリア産の小麦を使っているメーカーのものを選ぶ

この3つを行えば完璧ではないけど概ね回避できます。

>うまいパスタは「麺」で決まる!パスタを作って3回目で料理好きの妻を唸らせたパスタ作りのポイント

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1、最低限の材料で作ったのに料理好き の妻が唸った衝撃のパスタとは?
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 2-1 茹でた麺をそのまま食べて美味しいと感じる分量の塩を入れよう
 2-2 2.0mm以上の麺を使って一皿だけで満たされるパスタにしよう
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4、シンプルなのに奥が深いパスタにハマり部活をはじめました
5、まとめ

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